労働者派遣事業とは
労働者派遣事業とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先のために労働に従事させることを業として行うことで、「労働者派遣法」の適用を受けます。
この労働者派遣事業を行うには、厚生労働大臣の許可を得たり、届出をしなければなりません。
労働者派遣事業の種類
労働者派遣事業には次の2種類があります。
1.一般労働者派遣事業⇒厚生労働大臣の許可が必要
※登録型や臨時・日雇の労働者を派遣する事業
2.特定労働者派遣事業⇒厚生労働大臣に届出が必要
※常用雇用労働者だけを労働者派遣の対象として行う労働者派遣事業
※許可または届出は、事業主単位(会社単位)で行ないます。常用雇用労働者以外の派遣労働者を1人でも派遣する場合は、一般労働者派遣事業の許可が必要です。
※「常用雇用労働者」の定義
①期間の定めなく雇用されている労働者
②過去1年を超える期間について、引き続き雇用されている労働者
③採用時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者
労働者派遣事業を行うことができない業務
次のいずれかに該当する業務は、派遣事業はできません。
①港湾運送業務
②建設業務
③警備業務
④病院等における医療関係の業務
⑤弁護士、司法書士、税理士、行政書士、社会保険労務士
土地家屋調査士等の業務
⑥建築士事務所の管理建築士の業務
コンパニオン、ホステス等の派遣申請については、特に厳格に運用されますので、注意が必要です
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一般労働者派遣業務の許可
都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に許可申請をします。
許可には審査、意見聴取などが行われますので、許可申請は事業開始予定時期の約2ケ月前までに行う必要があります。
※必要書類
①一般労働者派遣事業許可・許可有効期間更新申請書
②一般労働者派遣事業計画書
③添付書類・・・法人の場合には
・定款
・登記事項証明書
・役員の住民票の写し及び履歴書
・貸借対照表及び損益計算書
・法人税の納税証明書
・事業所の使用権を証する書類(賃貸契約書など)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程
※許可要件(概要)
1.当該事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的としていないこと
2.申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足る能力を有するものであること
①派遣元責任者に関する条件
・未成年者でないこと
・成人後に一定期間の雇用管理経験があること
②派遣元事業主に関する条件
・労働保険、社会保険の適用等
③教育訓練に関する条件
・教育訓練に関する計画の適切な策定
・教育訓練の施設、設備等の整備
・実施についての責任者の配置
3.個人情報を適正に管理し、派遣労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
4.申請者が当該事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること
①財産的基礎に関する条件
・資産の総額から負債の総額を控除した額が、1,000万円以上(1事業所につき)あること
・上記の額が、負債の総額の7分の1以上であること
・事業資金として自己名義の現金・預金が800万円以上(1事業所につき)あること
②組織的基礎に関する条件
・登録制を採用している場合には、登録者数300人当たり1人以上の登録業務に係る職員が配置されていること
③事業所に関する条件
・事業に使用しうる面積が概ね20㎡以上あること
④適正な事業運営に関する条件
・自己の名義をもって、他人に派遣事業を行わせるために許可を得ようとするものでないこと
その他、民営職業紹介事業と兼営する場合の許可の要件や海外派遣を予定する場合の許可の要件などがあります。
特定労働者派遣事業の届出
都道府県労働局を経由して厚生労働大臣に届出をします。
※必要書類
①特定労働者派遣事業届出書
②特定労働者派遣事業計画書
③添付書類・・・法人の場合には
・定款
・登記事項証明書
・役員の住民票の写し及び履歴書
・事業所の使用権を証する書類(賃貸契約書など)
・派遣元責任者の住民票の写し及び履歴書
・個人情報適正管理規程
※一般労働者派遣事業における許可基準に相当するものはありませんが、一定の欠格事由に該当する場合には、特定労働者派遣事業はできません。
また、上記の一般労働者派遣事業の許可基準の1.2.3.に定められている事項の遵守が必要とされます。
申請から許可が下りるまで、事業所の現地調査を経て、2ケ月ほどかかります
労働者派遣事業開始後に必要な手続き
派遣元事業主は、労働局に以下の手続をしなければなりません。
1.許可有効期間の更新(一般労働者派遣事業の場合)
一般労働者派遣事業の許可の有効期間は3年であり、期間満了する30日前までに更新申請をしなければなりません。
許可更新申請時には、55,000円(事業所1箇所につき)の手数料が必要です。
なお、更新の手続、要件等は新規許可の場合とほぼ同様です。
2.変更届出等
名称変更、住所変更、代表者変更、事業所の新設・廃止、などの事項が生じた際には、所定の手続が必要です。
3.事業報告書
派遣元事業主は、毎事業年度経過後3ヶ月以内に「事業報告書」「収支決算書」を労働局に提出しなければなりません。
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