■農地転用許可・届出

農地法第3条
農地を農地として売買、貸し借りを行う場合には、農地法第3条に基づく許可が必要です。ただし条件として、譲受人(借主)は申請地を含め40アール以上耕作している農家でなければなりません。
※新しく農業を開始する場合は、1,500坪(4,959u)以上、耕作すること、兼業農家なら年に150日以上、営農できること(公務員・教員などは無理)が条件となります。
また、農機具等耕作に必要なものを揃えていること、申請地まで1時間以内で通作可能なところに居住していることなどの条件が必要です。

許可基準:次のいずれかに該当する場合は、許可になりません
@小作地について、その小作農以外の者が所有権を取得しようとする場合
(申請前6ケ月以内に小作農が同意し、その旨書面で明らかな場合は可
A権利を取得しようとする者(世帯員を含む)が農業経営に供すべき農地の全てについて耕作すると認められない場合
B農業生産法人以外の法人が権利を取得しようとする場合(例外あり)
C権利を取得しようとする者(又はその世帯員)が耕作等の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
(世帯において少なくとも1人は年間150日以上農作業に従事することが可能であれば可)
D権利の取得後において耕作等の事業に供すべき農地等が一定面積(50アール)に達しない場合(例外あり)
E小作農が小作地を転貸しようとする場合(例外あり)
F権利を取得しようとする者の住所地から農地までの距離等からみて、その農地を効率的に利用すると認められない場合
Gその他、農地法全体の趣旨に反すると認められる場合

1)許可権者
権利 権利取得者 目的 市町内の農地取得 市町外の農地取得
区分地上権以外の権利 個人   市町村
法人 農業生産法人   市町村
特定法人   市町村
その他の法人  
農業協同組合 経営受託 市町村 市町村
その他
区分地上権等の取得


農地法第4条
自分の農地を自分で宅地、店舗等の農地以外のものにする場合は、農地法第4条に基づく転用許可が必要です。
農地転用にはいろいろな基準がありますが、計画実現の確実性、緊急性、周辺農地や施設への被害がないことなどの3点が最も重要です。

主な農地法第4条による許可基準
農地法第4条第2項1号〜5号に該当する場合は許可になりません。
1.農用地区域内にある農地
2.集団的に存在する農地その他の良好な営農条件を備えている農地
3.農地を転用して申請にかかる用途に供することが確実と認められない場合
4.周辺の営農条件に支障を来たす恐れがあると認められる場合など
また、一般住宅は原則として500u以内(必要性が認められれば最大750u以内)で建ペイ率が22%以上であること、農家住宅は1000u以内であることなどの条件があります。
5.農地法第3条の許可による権利取得後3年を経過し、かつ3耕作以上「3年3作」の実績が必要。

農地区分別の許可方針

区分

営農条件、市街地化の状況

許可の方針

農用地区域内農地

市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内農地

原則不許可(農振法第10条第3項の農用地利用計画において指定された用途の場合等には許可

甲種農地

市街地調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等、特に良好な営農条件を備えている農地

原則不許可(土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等に許可)

1種農地

20ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等、良好な営農条件を備えている農地

原則不許可(土地収用法対象事業の用に供する場合等に許可)

2種農地

鉄道の駅が500m.以内にある等市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地

周辺の他の土地立地することが出来ない場合等は許可

3種農地

鉄道の駅が300m以内にある等の市街地化の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地

原則許可


農地法第4条の許可を必要としないもの
・国又は都道府県の行う転用
・市町村等が道路、河川等土地収用法の対象事業に係る施設に供するためのその区域内での転用
・公団等がその業務としての施設に供するための転用
・土地区画整理法に基づく土地区画整理事業で公園等公共施設を建設するための転用等


農地法第5条
他人の農地の権利を取得して(所有権移転)、または、他人の農地を借りて(賃借権の設定)、農地を農地以外のものにする場合には、農地法第5条に基づく転用許可が必要です。
基本的な基準は農地法第4条の場合と同じですが、他人の農地の権利を取得して(借りて)まで農地転用の必要性があるかどうか、また、投機目的の土地転がしを規制するための基準が追加されます。

農地法第4条・農地法第5条
1)許可申請者
条文 申請者
農地法4条 農地を転用する者 土地所有者
農地法5条 農地の権利を譲り渡す者と譲り受けて転用する者の両者 売主−買主
貸主−借主

2)許可権者(許可権者は、転用する農地の面積によって異なります)
転用する農地面積 許可権者 申請の窓口
4ヘクタール超 農林水産大臣 大分県
4ヘクタール以下 県知事 市町村農業委員会



その他、農地法第3〜5条許可については、県の定めた詳細な審査基準がありますが、県はともかくも市町村の農業委員会では、これらの審査基準が、農業委員や農業委員会の事務局職員に徹底されておらず、申請人と仲がいいか悪いかという地域社会の情実によって審査されてしまっているという要素も少なくありません
国や県の決めた基準が、農業委員の「お百姓さん」には難しすぎて、内容を理解できないというのが、その主要因です

また、これとは逆に、詳細で煩雑な審査基準や法だけに頼って、申請者の個別の事情を考慮せず、まるでロボットのように許可の可否を決定しようという血の通わぬ行政担当部署の怠慢や驕りも根強くあって、農地法申請に関する官僚社会の弊害が非常に露骨に現れているのも実情で、こんな審査しか受けられない農民は、たまったものではありません

農民が知恵を絞って農業で生き残る方法を真剣に模索し、農家民宿の経営や観光農場、花卉農業など、ちょっと目には「農業らしからぬ農業」への転換を図るべく農地法申請をしても、稲作や牧畜だけが農業だと考える古い体質の行政がそれを邪魔するということも少なくはなく、まさに行政本位の農政が幅を利かせていると言って過言ではありません
値打ちがあります
こんな実状のために、農地法申請は、個人でやろうとすると通るべきものも通らないというのが偽らざる現実ですから、ここは許認可申請の専門家にお任せいただくのが賢明な方法です

当事務所では、こうした行政審査の実状も充分に踏まえ、厳正で正しい筋が通り、人の血も通った、農民が生き残るための、まっとうな農地法審査を受けられるように常に配慮することを心がけています



参考
農地法第3条第1項の許可に係る審査基準 

農地法第4条及び第5条の許可に係る審査基準


農地法に係る事務処理要領

農地法


■農振地域内農用地区域の変更申出書

 農振地域内に農業用施設を建設したいときは、軽微な変更(農用地を農業用施設用地として用途区分の変更)が必要です。
 この土地については、転用後も農用地区域内であり、農業用以外に利用する時は改めて除外する必要があります。
 200u以下の農業用施設を建設するときは、原則として許可が受けられます。

■農業振興地域(農振)除外申請 農用地変更(除外)申出書
牧草地や田・畑などの農地は、多くの場合、法律により、農業以外の用途に利用することが制限されています。
農地に、住宅や工場等を建設したり、駐車場や資材置き場として利用しようとする場合など、農地を農用地以外の用途に利用する場合には、その農地の存在している地区によって、農振除外や農地転用の手続きが必要となります。



農用地区域内の土地では、原則として農地を農用地以外の用途に利用することはできません。
農用地区域内の土地を農用地以外の用途に利用したい場合は、農用地区域から除外(「農振除外」)を行って農振白地にした上で農地の転用の許可を受ける必要があります。
          農地の区分

農地は、上図のように地域区分されています。

このうち、「農業振興地域」は、10年以上にわたり総合的に農業振興を図るべき土地として、法律でその使用が制限されています。
農業振興地域のうち、特に農用地等として利用を確保すべき土地を「農用地区域」といい、それ以外の土地を「農振白地地域」と言います。
★申請すれば、必ず農振除外や農地転用ができるとは限りません。
許可を得られる可能性が非常に低い場合は申請が無駄になりますから、申請が不許可となる可能性について事前に依頼者と充分話し合い、許可の可能性を検討して、可能性が少しでもあるものだけに限って受任するようにしております。

特に、農振除外は申請しても通らないことのほうが圧倒的に多いということを理解したうえで、ご検討の上、ご依頼ください。 
 
農用地区域の除外の要件
農用地区域内の土地を農用地以外の用途に利用するためには、まず、市町村の農用地利用計画を変更し農振除外を行った上で、農地の転用の許可を受ける必要があります。
この農振除外は、次のすべての要件を満たすときのみ行うことができます。
要件

1.農用地区域以外に代替できる土地がないこと。
2. 農用地の集団化、作業の効率化等、土地の農業上の利用に支障を及ぼす恐れがないこと。
3. 農用地区域内の土地改良施設の機能に支障を及ぼす恐れがないこと。
4. 土地改良事業等の実施地区の場合は、事業実施後8年を経過している土地であること。
5. 農振除外後、転用されることが確実と見込まれること。
6. 農振除外後、すみやかに申請目的どおりに使用と認められること。
7. 申請目的どおりに使用するために法令等の許認可等が必要な場合は、その許認可等の見込みがあること。
8. 農業等に対する支障がないものであること。
9. 農地を利用する際に取水又は排水する場合には、その時期、方法、水量、水質等について、農林漁業又は公衆衛生等に及ぼす影響が少なく、関係者の反対がないこと。
10. 農地の転用に伴い土砂の流出、たい積、崩壊等のおそれがある場合又は農業又は公衆衛生面等への影響を及ぼすおそれがある場合には、必要な防除措置がとられていること。
 
農振除外の手続き
  1. 農振除外の申出
    農用地区域内の農地を農用地以外の用途に使用することを希望する場合は、市町村が農用地利用計画の変更により農振除外を行った上で、農地転用の許可を受ける必要がありますので、市町村の農業振興地域担当課に、農地転用したいので、農振除外をしてほしい旨の申出をします。

    ★申出したから必ず農振除外される訳ではありません。
    そもそも、農振除外は、土地所有者からの申出により行うものではなく、市町村が農業振興上の判断によって行うものです。
    市町村が判断する農振除外の内容と、事業者等からの申出が一致し、なおかつ、農振除外の要件を満たした場合にのみ農振除外されるもので、事業者等からの申出は、あくまでも市町村が判断する農振除外の妥当性を裏付ける材料の一つとして活用されるだけのものです。

    これは逆に言うと、「市町村が農振除外が必要と考えるところは除外されるし、そうでないところは、申請しても通らない」ということです。
    提出書類

    1.農用地利用計画変更申出書
    2.位置図
    3.事業計画書及び事業計画に係る建物等の配置計画図(1/200〜1/1,000)
    4. 用排水計画等被害防除措置の内容及びその図面(1/500〜1/2,000)
    5.その他必要書類
  2. 農業委員会・農協等の調整
    市町村は、農業委員会、土地改良区等の農業団体等から意見聴取し、協議調整します。
  3. 農用地利用計画変更案の作成
    市町村は、除外の基準等を勘案して、農用地利用計画の変更案を作成します。
  4. 農用地利用計画変更案の公告・縦覧等
    市町村は、農用地利用計画変更案を公告し、その公告の日から30日間、これを縦覧します。
  5. 農用地利用計画変更案に対する異議申出期間
    縦覧後15日間、農用地利用計画変更案に対する異議の申出を受け付けます。
  6. 農業振興地域整備計画の変更協議
    市町村は、県知事(地方振興事務所)に対して農業振興地域整備計画の変更について協議を行います。
  7. 県知事の回答
    県知事は、現地調査又は審査会の意見等を踏まえて、適当である場合は同意する旨を回答します。
  8. 農業振興地域整備計画の公告、除外を行う旨の通知
    市町村は、同意の回答を受けた場合は、農業振興地域整備計画を変更した旨を公告し、申出者に対して農振除外する旨及び農地転用許可申請手続きを進めるよう通知します。


農振除外の手続きは、このような複雑な方法で進められるので、申請者が申し出を行ってから許可が出るまでには1〜2年という長い期間が必要です

農地法関係 報酬額一覧表
  第3条申請 第4条申請 第5条申請 農振除外
報酬額 個人 法人 個人 法人 個人 法人 個人・法人
43,200円 54,0000 64,800円 75,600 75,600円 86,400 162,000円

※土地登記簿謄本、公図、住民票などの徴求費用は別途に頂きます。
※添付書類として平面図などを作成する場合は、その費用も別途に頂きます。


※農地法関係、ことに「農振除外申請」は、不許可となる場合のほうが多いので、成功報酬ではなく、申請完了時に報酬を頂きます。「許可になれば報酬を支払う」といった成功報酬方式のご依頼は一切お受けしません。
許可を得られる可能性が非常に低い場合は申請が無駄になりますから、申請が不許可となる可能性について事前に充分ご説明し、許可の可能性を依頼者と検討して、可能性がある場合のみ受任して申請を行うようにします。


農業委員会が発行する諸証明書の発行申請代理

1.現況証明:農地転用許可後、転用目的に従って適切に利用されているかを確認後に発行されるもの。

2.耕作証明:農協組合加入時や農業機械燃料減免申請時等の添付資料として農家の経営面積(耕作面積)について証明するもの。

3.非農地証明:登記簿謄本上の地目が農地である土地について、現況が農地か否かの判断をするもの。

4.買受適格証明:競売公告のあった農地の競売に参加するための証明書を発行するもの。

5.贈与税、相続税納税猶予適格証明:農地の贈与や相続を受ける場合に一定の要件を満たせば、贈与・相続税の納税猶予制度などを利用するとき。


農地法関連報酬一覧

農地法第3条許可申請

43,200円

農地法申請は、不許可となるケースも多いので万一、不許可の場合にも報酬は頂きます

農地法第4条許可申請

64,800円

農地法第5条許可申請

75,600円

農用地変更(除外)申出書

162,000円

〃(農振除外)

農振地域内農用地区域の変更申出書

86,400円

〃(農振区域内農業用施設新設)
※但し、200u以内に限る

農業用施設建設に係る意見書
(大分島土地改良区)

21,600円

〃(農振区域内農業用施設新設)
※土地改良地区に関して必要

義務履行証明書
(市役所・竹富町役場)

10,800円


※各課証明申請の代理料を含む

非農地証明申請

21,600円

現況証明・耕作証明・贈与税、相続税納税猶予適格証明申請・農用地証明交付申請(農業振興地域の農用地区域内又は区域外か証明する書類)

8,640円

各種簡易証明書申請手続

買受適格証明申請

21,600円

農地競売に参加するための証明書


農業経営基盤強化促進事業について

農村における高齢化、兼業化の進行とこれに伴う農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加を防ぐために、認定農業者等の育成・支援、地域農業の担い手の確保及び農地の有効利用・保全活動等を一体的に行おうとする事業。

≪利用権設定等促進事業≫
通常、耕作目的で農地を売買・貸借するためには、「農地法第3条」の許可が必要ですが、要件を備えていれば「農業経営基盤強化促進法」に基づく「利用権設定等促進事業」を活用することができます。

この事業は、手続きが簡単で税制面の優遇もあります。

また、この事業による貸借は、従前からの農地法による貸借のように、貸したらなかなか返してもらえないとか、離作料を請求されるといったやっかいな問題は起こりません。契約期間が満了すると自動的に農地が返還されますので、安心して優れた農家にまかせることができます。


<利用権設定等促進事業で貸し借りや売買ができる要件>
1.農業委員会の決定を経なければなりません。

2.農地を貸したり売ったりする人には、要件はありません。

3.借りる人、買う人、その農地を有効に利用し、今後の農業の担い手となる人が中心です。

4.認定農業者・専業農家の方々が対象になります。

5.買う人は、農業委員会の「あっせん譲受け等候補者名簿」に登録しておくことが必要です。



<この事業で手続きをした場合の特例、特典>

貸し手・売り手
1.農用地を貸したり売ったりしても、農地法の許可がいりません。

2.農用地を貸しても約束の期限がくれば、離作料を支払うことなく確実に返してもらえます。

3.農業委員会のあっせんにより農用地を売った場合は、その譲渡所得から800万円が控除されます
大分県農業農村振興公社の事業と結びつければ所得控除もあります。)農業振興地域内の農用地区域(青地)のみ適用されます。

4.大分県農業農村振興公社などの事業と結びつければ、6〜10年の小作料一括前払いも受けられます。

借り手・買い手
1.農用地を借りたり、買ったりしても、農地法の許可がいりません。

2.契約した期間は安心して利用でき、また契約を更新することもできます。

3.農用地等を買って登記する場合は、登録免許税は8/1000(一般10/1000)に軽減されます。

4.不動産取得税については、取得価格の1/3(農用地区域)が控除されます。

5.所有権移転の登記は、農業委員会が行います。

≪注≫
●長期/その年の1月1日現在で、保有期間5年を超えるもの。

●短期/その年の1月1日現在で、保有期間5年未満のもの。

●あっせん事業/「農地移動適正化あっせん事業」による売買






取扱業務一覧に戻る