■農地法第3条 |
農地を農地として売買、貸し借りを行う場合には、農地法第3条に基づく許可が必要です。
「農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律(令和4年法律第56号)」が、令和5年4月1日から施行され、経営規模の大小にかかわらず、意欲をもって農業に新規参入する人を地域内外から取り込むことを促進するため農地法の下限面積要件がなくなりました。
ただし、下限面積要件以外の農地法第3条第2項各号の要件は維持されます。
要件 |
許可基準 |
判断基準 |
全部効率利用 |
権利を取得する者(借り手や買い手)またはその世帯員等が保有している農地も含め、全ての農地を効率的に耕作すること |
・機械(所有、リースを含む)、労働力(雇用者を含む)、技術(雇用者や委託先を含む)が十分に確保されていること
・耕作の具体的内容を明らかにしない場合には、資産保有目的、投機目的等で農地等を取得しようとしているものと考えられることから、農地の全てを効率的に利用するとは認められない
・自家消費を目的とした場合であっても許可することは可能だが、農地の一部のみで耕作を行う場合や近傍の利用上の条件が類似している農地の生産性と比較して著しく劣ると認められる場合には、農地の全てを効率的に利用するとは認められない
|
農作業常時従事 |
権利を取得する者またはその世帯員等が耕作に必要な農作業に常時従事すること |
・原則は農作業に従事する日数が年間150日以上であること
・農作業に従事する日数が年間150日未満の場合でも農作業を行う必要がある限り、その農作業に従事していれば、常時従事すると認められる
|
地域との調和 |
地域の農地の集団化、農作業の効率化、その他周辺の地域における農地の効率的かつ総合的な利用に支障が生じないこと |
・集落営農や経営体がまとまった農地(集団化している農地)を利用している地域で、その利用を分断しないこと
・地域の農業者が協力して水田等の水管理をしている地域で、水利調整に参加すること
・無農薬、減農薬栽培が行われている地域で、農薬を使用しないこと
・集落で一体となって生産する特定の品目の栽培に必要な共同防除等の営農活動に支障が生じないこと
・地域の水準よりも極端に高い借賃で農地を借り受け、地域の一般的な借賃を著しく引き上げないこと
|
また、農機具等耕作に必要なものを揃えていること、申請地まで1時間以内で通作可能なところに居住していることなどの条件が必要です。
許可基準:次のいずれかに該当する場合は、許可になりません
@小作地について、その小作農以外の者が所有権を取得しようとする場合
(申請前6ケ月以内に小作農が同意し、その旨書面で明らかな場合は可)
A権利を取得しようとする者(世帯員を含む)が農業経営に供すべき農地の全てについて耕作すると認められない場合
B農業生産法人以外の法人が権利を取得しようとする場合(例外あり)
C権利を取得しようとする者(又はその世帯員)が耕作等の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
(世帯において少なくとも1人は年間150日以上農作業に従事することが可能であれば可)
D小作農が小作地を転貸しようとする場合(例外あり)
E権利を取得しようとする者の住所地から農地までの距離等からみて、その農地を効率的に利用すると認められない場合
Fその他、農地法全体の趣旨に反すると認められる場合
1)許可権者
権利 |
権利取得者 |
目的 |
市町内の農地取得 |
市町外の農地取得 |
区分地上権以外の権利 |
個人 |
|
市町村 |
県 |
法人 |
農業生産法人 |
|
市町村 |
県 |
特定法人 |
|
市町村 |
県 |
その他の法人 |
|
県 |
県 |
農業協同組合 |
経営受託 |
市町村 |
市町村 |
その他 |
県 |
県 |
区分地上権等の取得 |
県 |
県 |
■農地法第4条 |
自分の農地を自分で宅地、店舗等の農地以外のものにする場合は、農地法第4条に基づく転用許可が必要です。 農地転用にはいろいろな基準がありますが、計画実現の確実性、緊急性、周辺農地や施設への被害がないことなどの3点が最も重要です。
主な農地法第4条による許可基準
農地法第4条第2項1号〜5号に該当する場合は許可になりません。 1.農用地区域内にある農地 2.集団的に存在する農地その他の良好な営農条件を備えている農地 3.農地を転用して申請にかかる用途に供することが確実と認められない場合 4.周辺の営農条件に支障を来たす恐れがあると認められる場合など
また、一般住宅は原則として500u以内(必要性が認められれば最大750u以内)で建ペイ率が22%以上であること、農家住宅は1000u以内であることなどの条件があります。
5.農地法第3条の許可による権利取得後3年を経過し、かつ3耕作以上「3年3作」の実績が必要。
農地区分別の許可方針:
区分
|
営農条件、市街地化の状況
|
許可の方針
|
農用地区域内農地
|
市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内農地
|
原則不許可(農振法第10条第3項の農用地利用計画において指定された用途の場合等には許可
|
甲種農地
|
市街地調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等、特に良好な営農条件を備えている農地
|
原則不許可(土地収用法第26条の告示に係る事業の場合等に許可)
|
第1種農地
|
20ha以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等、良好な営農条件を備えている農地
|
原則不許可(土地収用法対象事業の用に供する場合等に許可)
|
第2種農地
|
鉄道の駅が500m.以内にある等市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地
|
周辺の他の土地立地することが出来ない場合等は許可
|
第3種農地
|
鉄道の駅が300m以内にある等の市街地化の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地
|
原則許可
|
■農地の区分
- ア)農用地区域内農地
農用地区域内農地・・・農振地域法8条2項1号に規定する農用地区域ないにある農地
・10ha以上の規模の一団の農地の区域内にある農地
・土地改良事業又はこれに準ずる事業で、農業用用排水施設の新設又は変更、区画整理、農地の造成、その他の省令で定めるものの施行区域内にある農地
・傾斜、土性その他の自然的条件から見てその近傍の標準的な農地を超える生産をあげることができると認められる農地
※第1種農地の要件に当てはまったとしても、第2種農地又は第3種農地の要件に該当する場合は、第2種、第3種 農地として取り扱われます
ア 水管、下水道、ガス管のうち2種類以上が埋設されている道路の沿道の区域であり、申請に係る農地、採草地から500m以内2つ以上の教育、医療、公共、公益的施設が存在すること
イ 申請に係る農地又は採草放牧地から300m以内に駅、船の発着場、高速の出入口、県庁、市役所などの役場、バスターミナル
宅地化の状況が省令で定める程度に達している地域省令で定める程度とは次のものに該当する程度
ア 住宅、事業用施設、公共施設又は公益的施設が連なっていること
イ 道路、鉄道、河川等によって区画された地域の面積を占める宅地面積の割合が40%を超えていること
ウ 用途地域が定められていること
土地区画整理法2条1項に規定する土地区画整理事業等の施行に係る区域
オ)第2種農地・・・法律上@「第3種農地の区域に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地」とA「その他、他の区分に該当しない農地」を包括したものを指します。
第3種農地の区域に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地とは、道路、下水道その他の公共施設又は鉄道の駅その他の公益的施設の整備の状況からみて、第3種農地の場合における公共施設等の整備状況の程度に達する区域になることが見込まれる区域で省令で定めるものを指します。省令で定めるものとは、次のとおりです。
ア 相当数の街区を形成している区域(この場合の道路に農道は含まない。
イ 駅、船の発着場、県庁、市役所、役場、バスターミナル※第3種農地と異なり、高速の出入口は含んでいないことに注意。
宅地化の状況からみて第3種農地の場合における宅地化の程度に達する区域になることが見込まれる区域(規模が10ha未満のもの)※第3種農地の区域に近接する区域その他市街地化が見込まれる区域内にある農地については、同時に第1種農地の要件に該当する場合であっても第2種農地として区分されます。
その他,他の区分に該当しない農地とは、農用地区域内にある農地以外の農地であって、甲種農地、第1種農地、第2種農地、及び第3種農地のいずれかの要件に該当しない農地を指します。
- (2)立地基準
ア)農用地区域内農地の許可基準
原則不許可、例外として次の3つがあります。
1.農振地域法に規定する農用地利用計画で指定された用途に供するための農地転用
2.土地収用法の事業認定告示に係る事業の用に供するための農地転用
3.仮説工作物の設置その他の一時的な利用に供するために行うもので、当該利用の目的を達成するうえで当該農地を供することが必要であると認められるもの
- イ)第1種農地の許可基準
原則不許可 例外として次のものがあります。
農用地区域内農地で例外として認められるもの
・農業用施設、農畜産物処理加工施設、農畜産物販売施設その他地域の農業の振興に資する施設として省令で定めるもの
ア 都市住民の農業の体験その他の都市等との地域間交流を図るために設置される施設
イ 農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設
ウ 農業従事者の良好な生活環境を確保するための施設
エ 住宅その他申請に係る土地の周辺の地域において居住する者の日常生活上又は業務上必要な施設で集落に接続して設置されるもの
市街地に設置することが困難又は不適当なものとして省令で定めるもの
病院等の医療事業施設で市街地以外に設置する必要のあるもの
火薬庫、製造施設
悪臭、騒音、排煙など居住性を悪化させる施設
調査研究、土石の採取特別の立地条件を必要とする省令で定める事業の用に供するために行われるもの
流通業務施設、休憩所、給油所等の類する施設で一般国道、県道の沿道、高速道路の出入口の周囲300m以内の区域内に設置されるもの
調査研究(その目的を達成する上で申請に係る土地をその用に供することが必要であるものに限ります)
土石その他の資源の採取
水産動植物の養殖用施設その他これに類するもの
既存の施設の拡張(拡張する面積が既存の施設の面積の2分1を超えないものに限る)
農地転用許可に係る事業に必要不可欠な通路、橋、鉄道、電線路、水路等の施設
隣接する土地と一体として同一の事業の目的に供するため行うもの
公益性が高いと認められる事業で省令で定めるものの用に供するために行われるもの
「工場立地法」に規定する工場立地調査簿に工場適地として記載された土地の区域内において行われる工場又は事業場の設置
独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する所定の業務
「集落地域整備法」に規定する集落地区計画の定められた区域内において行われる集落地区施設及び建築物等の整備
「優良田園住宅の建設の促進に関する法律」に規定する優良田園住宅建設計画に従って行われる優良田園住宅の建設
「農用地の土壌の汚染防止等に関する法律」に基づく所定の事情等から農用地以外の土地として利用することが適当であることと認められる農用地の利用の合理化に資する事業
「土地収用法その他の法律」により土地を収用し、又は使用することができる事業
「森林法」に基づき森林を保安林として指定する目的を達成するために行われる森林の造成
「地すべり等防止法」に規定する関連事業計画もしくは急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に規定する勧告に基づき行われる家屋の移転その他の措置又は同法の命令に基づき行われる急傾斜地崩壊防止工事
非常災害のために必要な応急措置
「土地改良法」に規定する非農用地区域と定められた区域内にある土地を土地改良事業計画に定められた用途に供する行為
「東日本大震災復興特別区域法」に規定する所定の復興整備事業
「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」に規定する基本計画に定められた整備促進区域内おいて、設備整備計画に従って行われる再生可能なエネルギー発電設備の整備
次のいずれかに該当するもの
農振地域法の市町村農業振興地域整備計画又は同計画に沿って当該計画に係る区域内の農地の効率的な利用を図る観点から市町村が策定する計画に従って行われるもので所定の要件に該当するもの
地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律の承認地域経済牽引事業計画に基づき土地利用調整区域内の所要の施設を整備するためのもの
「地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」の同意基本計画に基づき拠点地区内の所要の施設を整備するためのもの
「多極分散型国土形成促進法」の同意基本構想に基づき重点整備地区内の所要の施設を市日するためのもの
総合保養地域整備法の同意基本構想に基づき重点整備地区内の所要の施設を整備するためのもの
「農村地域への産業の導入の促進等に関する法律」に基づき産業導入地区内の施設を整備するためのもの
農地法第4条の許可を必要としないもの
・国又は都道府県の行う転用
・市町村等が道路、河川等土地収用法の対象事業に係る施設に供するためのその区域内での転用
・公団等がその業務としての施設に供するための転用
・土地区画整理法に基づく土地区画整理事業で公園等公共施設を建設するための転用等
|
■農地法第5条 |
他人の農地の権利を取得して(所有権移転)、または、他人の農地を借りて(賃借権の設定)、農地を農地以外のものにする場合には、農地法第5条に基づく転用許可が必要です。
基本的な基準は農地法第4条の場合と同じですが、他人の農地の権利を取得して(借りて)まで農地転用の必要性があるかどうか、また、投機目的の土地転がしを規制するための基準が追加されます。 |
農地法第4条・農地法第5条
1)許可申請者
条文 |
申請者 |
例 |
農地法4条 |
農地を転用する者 |
土地所有者 |
農地法5条 |
農地の権利を譲り渡す者と譲り受けて転用する者の両者 |
売主−買主 貸主−借主 |
2)許可権者(許可権者は、転用する農地の面積によって異なります)
転用する農地面積 |
許可権者 |
申請の窓口 |
4ヘクタール超 |
農林水産大臣 |
県 |
4ヘクタール以下 |
県知事 |
市町村農業委員会 |
その他、農地法第3〜5条許可については、農水省−県の定めた詳細な審査基準がありますが、農水省−県はともかくも、市町村の農業委員会では、これらの審査基準が、農業委員や農業委員会の事務局職員に徹底されておらず、申請人と仲がいいか悪いかという地域社会の情実によって審査されてしまっているという要素も少なくありません
国や県の決めた基準が、農業委員の「お百姓さん」には難しすぎて、内容を理解できないというのが、その主要因です
また、これとは逆に、詳細で煩雑な審査基準や法解釈だけに頼って、申請者の個別の事情を考慮せず、まるでロボットのように許可の可否を決定しようという血の通わぬ行政担当部署の怠慢や驕りも根強くあって、農地法申請に関する官僚社会の弊害が非常に露骨に現れているのも実情で、こんな審査しか受けられない農民は、たまったものではありません
農民が知恵を絞って農業で生き残る方法を真剣に模索し、農家民宿の経営や観光農場、グランピング施設、花卉農業など、ちょっと目には「農業らしからぬ農業」への転換を図るべく農地法申請をしても、特に地方の現状では、「キビ・稲作や牧畜だけが農業だ」と考える古い体質の農業委員会や行政がそれを邪魔するという事例もけっして少なくはなく、まさに旧体制のままの行政本位の農政が幅を利かせていると言って過言ではありません
こんな実状のために、農地法申請は、農民が個人でやろうとすると通るべきものも通らないというのが偽らざる現実ですから、ここは許認可申請の専門家にお任せいただくのが賢明な方法です
当事務所では、こうした行政審査の実状も充分に踏まえ、厳正で正しい筋が通り、人の血も通った、農民が生き残るための、まっとうな農地法審査を受けられるように常に配慮することを心がけています
農地法の許可に係る審査基準
農地法関係事務処理要領
農地法 |
■農振地域内農用地区域の変更申出書
農振地域内に農業用施設(農業用倉庫、農産物集出荷施設、農産物貯蔵施設等農畜産物の生産、集荷、乾燥、調製、貯蔵、出荷の用に供する施設、たい肥舎、種苗貯蔵施設、農機具収納施設等農業生産資材の貯蔵又は保管の用に供する施設等)を建設したいときは、軽微な変更申出(農用地を農業用施設用地として用途区分の変更)をして許可を受けることが必要です。
※この土地については、転用後も農用地区域内であり、農業用以外に利用する時は改めて除外する必要があります
200u以下の農業用施設を建設するときは、原則として、この許可が受けられます。
■農業振興地域(農振)除外申出 農用地変更(除外)申出書
牧草地や田・畑などの農地は、多くの場合、法律により、農業以外の用途に利用することが制限されています。
農地に、住宅や工場等を建設したり、駐車場や資材置き場等として利用しようとする場合など、農地を農用地以外の用途に利用する場合には、その農地の存在している地区によって、農振除外や農地転用の手続きが必要となります。
また、これはあくまで「申出」であって「申請」ではないことも注意が必要です。現に、この申出用紙には「次のとおり農用地区域内の土地を、農業以外の用途に利用したく見直しでの検討資料として提出します」と書かれており、農振除外権限のある行政に「検討資料を提供する」だけのものなのです。 |
|
農用地区域内の土地では、原則として農地を農用地以外の用途に利用することはできません。 農用地区域内の土地を農用地以外の用途に利用したい場合は、農用地区域から除外(「農振除外」)を行って農振白地にした上で農地の転用の許可を受ける必要があります。 |
農地の区分
農地は、上図のように地域区分されています。
このうち、「農業振興地域」は、10年以上にわたり総合的に農業振興を図るべき土地として、法律でその使用が制限されています。 農業振興地域のうち、特に農用地等として利用を確保すべき土地を「農用地区域」といい、それ以外の土地を「農振白地地域」と言います。 |
|
★特に農振除外は、申請すれば、必ず農振除外や農地転用ができるとは限りません。
許可を得られる可能性は相当に低く、申出が通らない場合は手間と費用が無駄になりますから、申出が不許可となる可能性について事前に依頼者と充分話し合い、許可の可能性を検討して、可能性が少しでもあるものだけに限って受任するようにしております。
「農振除外」は申し出ても通らないことのほうが圧倒的に多いということを理解したうえで、ご検討の上、ご依頼ください。 |
|
|
|
農用地区域の除外の要件 |
|
|
農用地区域内の土地を農用地以外の用途に利用するためには、まず、市町村の農用地利用計画を変更し農振除外を行った上で、農地の転用の許可を受ける必要があります。
この農振除外は、次のすべての要件を満たすときのみ行うことができます。
要件
1.農用地区域以外に代替できる土地がないこと。(自分の所有している土地の中で代替できる土地がないという意味ではありません。その地域の他人地も含めて、申請地の他には代替できる土地がないという意味です)
2. 農用地の集団化、作業の効率化等、土地の農業上の利用に支障を及ぼす恐れがないこと。
3. 農用地区域内の土地改良施設の機能に支障を及ぼす恐れがないこと。
4. 土地改良事業等の実施地区の場合は、事業実施後8年を経過している土地であること。
5. 農振除外後、転用されることが確実と見込まれること。
6. 農振除外後、すみやかに申請目的どおりに使用と認められること。
7. 申請目的どおりに使用するために法令等の許認可等が必要な場合は、その許認可等の見込みがあること。
8. 農業等に対する支障がないものであること。
9. 農地を利用する際に取水又は排水する場合には、その時期、方法、水量、水質等について、農林漁業又は公衆衛生等に及ぼす影響が少なく、関係者の反対がないこと。
10. 農地の転用に伴い土砂の流出、たい積、崩壊等のおそれがある場合又は農業又は公衆衛生面等への影響を及ぼすおそれがある場合には、必要な防除措置がとられていること。
|
|
|
|
農振除外の手続き |
|
|
- 農振除外の申出
農用地区域内の農地を農用地以外の用途に使用することを希望する場合は、市町村が農用地利用計画の変更により農振除外を行った上で、農地転用の許可を受ける必要がありますので、市町村の農業振興地域担当課に、農地転用したいので、農振除外をしてほしい旨の申出をします。
★申出したから必ず農振除外される訳ではありません。
そもそも、農振除外は、土地所有者からの申出により行うものではなく、市町村が農業振興上の判断によって行うものです。
市町村が判断する農振除外の内容と、事業者等からの申出が一致し、なおかつ、農振除外の要件を満たした場合にのみ農振除外されるもので、事業者等からの申出は、あくまでも市町村が判断する農振除外の妥当性を裏付ける材料の一つとして活用されるだけのものです。
- これは逆に言うと、「市町村が農振除外が必要と考えるところは除外されるし、そうでないところは、申し出しても通らない」ということで、「農地法」は、農地を守ることを目的とする法律ですから、いくら申し出しても基本的には農振除外される可能性は、ほとんどないと、思ってください。
- 当事務所では農振除外をお請けする前に、依頼人と充分に事前確認をし、少しでも農振除外の可能性がある場合に限ってお請けするようにしており、可能性の低いものに関しては、申請と同時に当方にお支払いいただく当方報酬が無駄になりますから、お引き受けしないようにしております。
提出書類
1.農用地利用計画変更申出書
2.位置図
3.事業計画書及び事業計画に係る建物等の配置計画図(1/200〜1/1,000)
4.
用排水計画等被害防除措置の内容及びその図面(1/500〜1/2,000)
5.その他必要書類 |
- 農業委員会・農協等の調整
市町村は、農業委員会、土地改良区等の農業団体等から意見聴取し、協議調整します。
- 農用地利用計画変更案の作成
市町村は、除外の基準等を勘案して、農用地利用計画の変更案を作成します。
- 農用地利用計画変更案の公告・縦覧等
市町村は、農用地利用計画変更案を公告し、その公告の日から30日間、これを縦覧します。
- 農用地利用計画変更案に対する異議申出期間
縦覧後15日間、農用地利用計画変更案に対する異議の申出を受け付けます。
- 農業振興地域整備計画の変更協議
市町村は、県知事(地方振興事務所)に対して農業振興地域整備計画の変更について協議を行います。
- 県知事の回答
県知事は、現地調査又は審査会の意見等を踏まえて、適当である場合は同意する旨を回答します。
- 農業振興地域整備計画の公告、除外を行う旨の通知
市町村は、同意の回答を受けた場合は、農業振興地域整備計画を変更した旨を公告し、申出者に対して農振除外する旨及び農地転用許可申請手続きを進めるよう通知します。
農振除外の手続きは、このような複雑な方法で進められるので、申請者が申し出を行ってから結果が出るまでには3〜5年という長い期間が必要です |
農地法関係 報酬額一覧表
第3条申請 |
第4条申請 |
第5条申請 |
軽微な変更 |
農振除外 |
個人 |
法人 |
個人 |
法人 |
個人 |
法人 |
個人 |
法人 |
個人・法人 |
44,000円 |
55,000円 |
66,000円 |
77,000円 |
99,000円 |
110,000円 |
120,000円 |
150,000円 |
165,000円 |
※事案の難易度により加減算があります。 ※土地登記簿謄本、公図、住民票などの徴求費用は別途に頂きます。
※添付書類として平面図などを作成する場合は、その費用も別途に頂きます。
その他 農地法関連報酬一覧
農業用施設建設に係る意見書
(土地改良区)
|
22,000円
|
(農振区域内農業用施設新設) ※土地改良地区に関して必要 |
義務履行証明書
(市役所)
|
11,000円
|
※各課証明申請の代理料を含む |
非農地証明申請
|
22,000円
|
〃 |
現況証明・耕作証明・贈与税、相続税納税猶予適格証明申請・農用地証明交付申請(農業振興地域の農用地区域内又は区域外か証明する書類)
|
8,800円
|
各種簡易証明書申請手続 |
買受適格証明申請
|
22,000円
|
農地競売に参加するための証明書 |
青年等就農計画作成 |
110,000円 |
|
認定農業申請 |
132,000円 |
※難易度により加算あり |
|
|
|
農業経営基盤強化促進事業について
農村における高齢化、兼業化の進行とこれに伴う農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加を防ぐために、認定農業者等の育成・支援、地域農業の担い手の確保及び農地の有効利用・保全活動等を一体的に行おうとする事業。
≪利用権設定等促進事業≫
通常、耕作目的で農地を売買・貸借するためには、「農地法第3条」の許可が必要ですが、要件を備えていれば「農業経営基盤強化促進法」に基づく「利用権設定等促進事業」を活用することができます。
この事業は、手続きが簡単で税制面の優遇もあります。
また、この事業による貸借は、従前からの農地法による貸借のように、貸したらなかなか返してもらえないとか、離作料を請求されるといったやっかいな問題は起こりません。契約期間が満了すると自動的に農地が返還されますので、安心して優れた農家にまかせることができます。
<利用権設定等促進事業で貸し借りや売買ができる要件>
1.農業委員会の決定を経なければなりません。
2.農地を貸したり売ったりする人には、要件はありません。
3.借りる人、買う人、その農地を有効に利用し、今後の農業の担い手となる人が中心です。
4.認定農業者・専業農家の方々が対象になります。
5.買う人は、農業委員会の「あっせん譲受け等候補者名簿」に登録しておくことが必要です。
<この事業で手続きをした場合の特例、特典>
貸し手・売り手
1.農用地を貸したり売ったりしても、農地法の許可がいりません。
2.農用地を貸しても約束の期限がくれば、離作料を支払うことなく確実に返してもらえます。
3.農業委員会のあっせんにより農用地を売った場合は、その譲渡所得から800万円が控除されます。
借り手・買い手
1.農用地を借りたり、買ったりしても、農地法の許可がいりません。
2.契約した期間は安心して利用でき、また契約を更新することもできます。
3.農用地等を買って登記する場合は、登録免許税は8/1000(一般10/1000)に軽減されます。
4.不動産取得税については、取得価格の1/3(農用地区域)が控除されます。
5.所有権移転の登記は、農業委員会が行います。
≪注≫
●長期/その年の1月1日現在で、保有期間5年を超えるもの。
●短期/その年の1月1日現在で、保有期間5年未満のもの。
|
取扱業務一覧に戻る
|
|
|