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内容証明郵便


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金銭消費貸借契約書 文例


内容証明郵便で出していいもの、悪いもの

内容証明郵便は、使い方を誤らなければ効果がありますが、間違うと逆に不利になることもあります。


出したほうがいいもの
①催告状
相手方に有する債権が時効になりそうな場合は、時効の中断という意味で、内容証明郵便を活用します。
民法における時効とは、ある事実状態が一定の期間(時効期間(じこうきかん))継続したことを法律要件として、その事実状態に合わせて権利や法律関係の得喪変更を生じさせる制度を言います。
民法144条以下に規定があり、取得時効消滅時効とに分かれます。

時効が迫ってきており裁判所へ訴える時間もない、裁判をせずに相手との交渉により支払ってもらいたい。そんな場合は、口頭で請求すれば、催告をしたことになります。催告により、6ケ月間は時効期間が延長します。
しかし、口頭では、催告したかどうかが争いになったとき、それを立証するのが困難ですから、確実に催告したという証拠を残す意味で、内容証明郵便で催告しておくほうがより安全だということです。

内容証明郵便により、相手が「一部でも代金を支払ってくれた」り、「支払を少し待ってくれ」とかいう意思表示があったら、消滅時効は中断します。法律的には時効中断事由の「承認」に当たるからです。
内容証明郵便による催告状は、相手が「承認」の意思表示をしやすいように書かなければ効果がありません。責めるだけ責めて相手が怖がって引いてしまっては無意味で、内容証明郵便は心理戦です。
内容証明郵便の作成はプロにお任せください。

②消費者契約に関する解除(クーリング・オフ)通知書
クーリングオフ通知は、業者との契約書に記載してあるようにハガキや簡易書留などで送るという方法もありますが、それより確実な通知方法として内容証明郵便による解除通知がいいでしょう。
この場合の記載方法は、「貴社(相手方)と○月○日にこのような契約をしたけどやっぱりやめます(クーリングオフします)」というこちらの意思が確実に相手方に伝わるように書くのが要領です。けっして、「あのときは契約したけど、よく考えてみたら~」などと、面倒なことを書く必要はありません。

契約書を受け取った日や商品を受け取った日を第1日目として数え、受け取った日から8日以内にクーリングオフ通知をしなければなりません
一般に民法では「意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じる」到達主義が基本原則ですが、クーリングオフはこの例外で、到達主義ではなく発信主義を採っています

③その他のもの
その他、下記のようなものに内容証明郵便は有効に活用できます。
1.債務不履行による契約解除(オークション詐欺)通知
2.養育費の請求の内容証明通知
3.商品の引渡しを求める(債務不履行)内容証明通知
4.家賃の督促の内容証明通知
5.賃貸住宅等の退去に伴う原状回復に関する各種書面
  【家主負担になる例】
   ・家具設置でできた床やカーペットのへこみ
   ・壁のクロスや畳の日焼けによる変色
   ・テレビや冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ(電気やけ)
   ・鍵の取り換え(破損、紛失がない場合)
  【借り主の負担になる例】
   ・喫煙によるクロスなどの変色や、においの付着
   ・カーペットに飲み物などをこぼしたことによるシミやカビ
   ・引っ越し作業で生じた傷
   ・壁のくぎ穴、天井に直接つけた照明器具の跡
   ・日常の掃除を怠ったことによる台所の油汚れ
   ・落書きなど故意の損傷
6.敷金返還請求書
7.損害賠償(慰謝料含む)請求書
8.債権回収(貸金)の内容証明通知


出さないほうがいいもの
内容証明郵便は、基本的に受け取った相手方を脅かすことにもなり、ある意味で、こちらから相手方に法的な宣戦布告をすることになりますから、今後も引き続いて付き合いたい相手の場合には、内容証明郵便を利用して紛争を解決しようとしないほうが無難です。

普通の手紙にしないで、あえて「内容証明郵便」にするということは、自分の決意の強さを相手に示すものですから、受け取った相手方は当然構えてしまいます。弁護士やその他の有能な法律家やタチの悪い事件屋などを中に入れてこちらに対応してくることも多くなります。
また、当然、相手の感情を害し、問題はかえって悪化してこじれてしまうこともあり得るのです。
内容証明郵便を出すことによって争いが収まることはなく、内容証明郵便を出すことによって争いが始まるのだということを理解してください。

このため、
①話し合いで解決できると思われるとき
②今後も継続して相手方と付き合っていきたいと思うとき

には、内容証明郵便はおすすめできません。そんなときには話し合いで解決するのがベストでしょう。相手方と絶交しても構わない、この際けりをつけたいという覚悟があれば内容証明郵便を出しても問題ありません。

また、内容証明郵便は、証拠を残すために出すものですから、逆に、自分が証拠を残したくない場合には、口頭で交渉したほうが有利です。

自分が100万円の買掛金残高があると記憶していた相手から「売掛金残高80万円を支払え」と言ってきたとしましょう。この返事にわざわざ内容証明郵便を使って「私の買掛金は100万円だと記憶しているが、80万円支払えばいいのですか」と返事するのは愚の骨頂です。
相手方のために「買掛金は100万円だ」と内容証明郵便によって立証してしまうようなものです。
また、内容証明郵便に書かれたことは、すべてお互いに「証拠」となりますから、これを送る場合に、自分に不利なことは書かないことも重要なポイントです。

相手方が倒産しそうな場合に、厳しすぎる内容証明郵便を送ってもかえって逆効果になり、相手方に財産隠しされるのがオチです。
このようなときには、内容証明郵便などを事前に出さずに、相手の財産をこっそり調査して早いうちに仮差押えなどの強行手段をとるほうがより有利な場合もあります。

ことに、債権の催告に内容証明郵便を活用する際には、その法的効果と相手方の経済的現状の把握、出した後の相手方の対応を予想するなど、法律上のことだけでなく、経済的な観点や心理学的な読みに加え、債権督促における豊富な経験が必要です。
これが「債権回収は心理的領域」と言われる所以(ゆえん)です。

素人判断で、安易に内容証明郵便を乱送するのは、くれぐれもやめましょう


行政書士事務所「オフィス大分」では、内容証明郵便の作成をお考えの方と、その趣旨、内容、出すことの効果などについて面談の上じっくりご相談して、必要な内容証明郵便を作成するか、または、あなたを代理して当方事務所から発送します。

事案によって差出人 ○○代理人 行政書士事務所「オフィス大分」と記載もいたしますから、相手方に充分な心理的効果が期待できます。